日記の3歩手前。

日々の書き散らし、誰かの隙間の思考です。

ゲーセンのお兄さん

1週間のうちどこかで更新できればセーフ!とは思いつつ、最終日になってしまった。今日も誰かに話すほどじゃないけど、ひとりで抱えているだけなのは惜しい気がする記憶の話。

❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

小学生くらいの頃、普段は行かない地域のジャスコに来ていて、親の買い物の間ゲーセンに放流された。
ふらふら思い思いのゲームで遊ぶ中、ほとんどやったことのないドラクエのカードゲームで遊んでみようと思った。
カードをほとんど持っていなかったから、無料キャラを召喚しようとしたところ、急に大学生くらいのお兄さんが「これ、相性いいよ」って横からカードをスキャンしてきた。
急に見知らぬ他人に干渉された小学生の私はビビり散らかしてたけど、スキャンしてくれたカードはほんとに他のカードと相性が良かったみたいで、ゲームのクライマックスで筐体に刺さってる剣がせり上がってきたりして、大勝ちして楽しくゲームを終えた。その頃にはお兄さんはどこかに消えていた。

ここで終わったらそんな記憶に残るほどのエピソードじゃなかったのだけど、続きがあって。

次にマリオカートで遊ぶことにした。一番はじめにでてきた、あの筐体で。
あれ、一人がお金を入れてから何十秒間か、他の人の対戦エントリーを受け付ける仕様なのだけど、当時はまあ一人だし……ってスキップしようとしたら、颯爽と隣の筐体に人が!当然のように対戦エントリーしてきたのは、さっきのお兄さんだった。

当時は小学生なので、ゲームの対戦なんか友人としかやったことなく、急に全く知らない他人と勝負をするという状況になってそこそこびっくりしたのを覚えている。しかもさっきのお兄さんだし。
普通そこでもっとビビりそうなものだけど、当時の私は友人の中でもこのゲーセンのマリオカートは負け無しで、とっても自信があったので、びっくりしたのも束の間、ぜって〜〜〜負けねぇ!!!と闘争心に火がついた。

結果として、めちゃめちゃいい勝負の末に負けた。
初の敗北だった。
ほんと最後の最後に負けて、とてもとても悔しくて、ってところでお兄さんが急に「いい勝負だった!!ありがとう!!」って握手を求めてきた。
ものすごくびっくりしました。悔しい、って思ってる間はお兄さんのこと忘れていたし。
反射的に握手して、お兄さんはそのままいい笑顔で何処かに去っていった。残された私は、めちゃめちゃめちゃめちゃ悔しかったけど、あんなに大きい人を追い詰めるプレーができたんだ……とじわじわ満足感も湧いてきて、なんかその日から一層マリオカートの腕には自信を持つようになった。

書いてて思ったけど現代なら通報されそう、小さい子を追いかけてゲームしてるお兄さん。
めちゃめちゃ手がおっきくて温かかったのも覚えていりので、まあ、通報されずに今も元気でやってるといいな。

 

華華華